MAKE A WISH

奇跡体験アンビリバボーで紹介されたお話です。
いい話だなぁって思ったので覚えている範囲でまとめてみました。
※問題がある場合は、すぐに削除させていただきます。


アメリカのある州に保育園に通う男の子がいました。
彼の名前はクリス。
クリスはある日、お母さんに言いました。
「ボク、保育園に行きたくない」
「どうして?」
「みんながボクのことを毛がないからっていじめるんだ・・・」
クリスは3歳のときに白血病であると診断されていて、抗がん剤の
影響で髪の毛がなかったのです。お母さんは数年前に離婚して
いたため、クリスを保育園に行かせない訳にはいかなかったのです。
お母さんはしばらく考えてから、いい方法を思いつきました。

次の日、クリスは帽子をかぶり、キャンディ(チュッパチャプスみたいな)を
もって登園しました。お母さんが思いついたのは、当時はやっていた
「刑事コジャック」に似た帽子をかぶせて登園させることでした。
「刑事コジャック」もスキンヘッドに帽子、キャンディがトレード
マークだったのです。このお母さんの作戦は見事に成功し、
たちまちクリスは、保育園の人気者になりました。

この頃からクリスは、警察官になることを夢見るようになりました。
しかし、クリスは3歳のときに、余命3年と宣告されていて、お母さんは
その夢がかなえられないことを思うと悲しい気持ちになってしまいます。

ある日、クリスの家にお客さんが尋ねてきました。
「動くな!これから君が証言することはすべて法廷で有効になる!」
そういってクリスはおもちゃの拳銃を持って、玄関に立つ男性に
いいました。
「ほぉ~。ずいぶん詳しいんだね。」
「うん、ボク警察官になりたいんだ(^-^)」
そのとき、動き出した男性が手帳を落としました。彼は麻薬の潜入捜査官
だったのです。手帳を拾ったクリスは驚きました。
「すごい!これホンモノ?」
「そうだよ。警察官になりたいなら、今度、君を警察官に推薦しよう」
トム(仮名)はクリスの病気のことを知らなかったので、そう約束しました。

病気のことを母親から教えてもらったトムは、それからもクリスの
ところに通っては、実際の捜査方法などについて話をしていました。

ある日トムが捜査中の怪我で入院している同僚ジャック(仮名)を
見舞いに行ったとき、ジャックは言いました。
「警察官をやめようと思うんだ。俺たちがどんなにがんばっても
この町から犯罪がなくなることはないじゃないか」
それはトムも感じていたことでしたが、トムはジャックをクリスに
会わせようと思いました。

クリスマスになって退院していたジャックとトムは、クリスのところの
パーティに呼ばれていたため、男の子の家を訪ねました。
玄関まで来ると、クリスがプレゼントを持って出てきました。
「それをどうするんだい?」
トムが尋ねます。
「学校の友達にあげるんだ。ボクはお見舞いとかでプレゼントいっぱい
もらってるから(^-^)」
「そうか。気をつけていっておいで」
「うん(^-^)」
クリスの病気のことをトムから聞かされていたジャックは不思議な気持ちで
クリスを見送りました。
「どうしてあんなに元気にしていられるんですか?」
ジャックがお母さんに尋ねます。
「あの子も昔は弱かったんです。でも、警察官になるって夢を持ってから
強くなれたんですよ」

帰り道、トムがジャックに言いました。
「この町に足りないものは何だと思う?」
「そうだな・・・夢・・・なんじゃないかな」
「俺もそう思う」
「俺たちは夢に思ってもらえる仕事をしてるんだからがんばらないとな」

それからもトムとクリスの付き合いは続いていました。
クリスが5歳の誕生日を迎えたとき、クリスとお母さんが二人でケーキを食べる前に
お祈りをしていいました。お母さんは、これが最後の誕生日になるかも
しれないと思っていると、クリスが不意にこんなことを言いました。
「お母さん、天国ってどんなところ?」
お母さんは勘のいいクリスのためにできる範囲で話し始めました。
「病気も怪我もないすてきなところよ」
「一緒に天国に行こう」
「・・・一緒には行けないの。お母さんもすぐに行くから先に行って
待っててちょうだい」
「・・・うん、わかったよ」

ある日の話の流れで、今度ヘリコプターで一緒にハイウェイパトロールを
することを約束しました。でも、それからまもなくして、クリスは
血を吐いて倒れてしまいました。病院に運ばれてからも、クリスは
意識が戻らないまま何日かがすぎました。
「クリス、トムがヘリコプターに乗せてくれるって」そう話しかけるお母さんの
言葉に反応して、男の子は奇跡的に意識を取り戻したのです。
しかもそれだけではなく、退院の許可がでるまでに体力が回復したのです。

病院に迎えに来たトムがクリスに二人のハイウェイパトロールをしている
警官を紹介しました。当時、ハイウェイパトロールのテレビドラマもしていて
クリスはすごく喜びました。それから男の子はヘリコプターに乗り込んで
パトロールに出かけたのです。

それから数日して、州警察の本部長のはからいにより、クリスに
特別注文の制服と警察官の任命証が渡されたのです。最年少の警察官となった
クリスは次の日も警察署にでかけ、おもちゃのバイクに正式のステッカーを
貼ってもらったり、一緒にパトロールに出かけたりしました。
次の日も、次の日も・・・。

しかし5日目の朝、クリスは病院で静かに息を引き取りました・・・。
クリスのお葬式の列は警察のバイクが先導して行われました。
また、それだけでなく、警察葬も行われたのです。最後に一緒にパトロール
した警察官ボブ(仮名)の提案でした。
「クリスは私の相棒でしたから、警察としても、彼を見送ってあげたいと思ったのです」
クリスの墓碑銘には州警察の刻印も刻まれています。

それから・・・
トムやボブを中心として「MAKE A WISH」という重病の子供たちの夢をかなえるための
組織が作られました。その組織は徐々に広がっていき、世界規模にまで発展して
「自転車をくれてありがとう」
「イルカにあわせてくれてありがとう」
と言った、子供たちから感謝の絵や手紙が届く日が耐えないということです。
男の子のお母さんも、その組織を通じて講演をするなどして活動しています。
「『MAKE A WISH』の設立を急いだのは、クリスのお母さんが生きがいを失わないように
するためでもあったのです」
とトムは言っています。
「世界中で不幸なできごとが多い中、私は子供たちの願いをかなえ、喜びの
声を聞いて過ごせるという、とても幸せな環境の中ですごしてこれることが
できました。すべてはクリスのおかげです」

すべてはクリスの警察官になりたいという夢からはじまった
奇跡のお話でした・・・。


MAKE A WISH JAPAN


© Rakuten Group, Inc.